2025年 総合カタログ スガノ農機 株式会社
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耕起 耕起 整地 耕起 整地 耕起 ※作業時間の推定は作業機別のほ場作業効率を以下の通りで計算 プラウ・バーチカルハロー・スタブルカルチ : 60% ・ ロータリ : 75% 7月28日 7月28日 砕土の粒径別割合(重量%)子実重(ロータリ耕体系比%)5月27日5月27日 整地作業 バーチカルハロー バーチカルハロー - ボトムプラウ スタブルカルチ 耕起作業 - -0++ 最大 繁茂期 着莢数【個/㎡】 開花期 成熟期 682 10月31日 704 10月31日 【表1】試験区の構成及び各作業日 年次 2019 作業機 ボトムプラウ 2017ボトムプラウ 2018ロータリ ロータリ 使用した作業機の概要及びけん引トラクタ①ボトムプラウ 《2017・18年》 14インチ×2連(R142相当) 作業幅 : 65cm ・ 耕深 : 25cm ・ 50PSトラクタ使用 《2019年》 14インチ×4連(R144相当) 作業幅 : 140cm ・ 耕深 : 20cm ・ 95PSトラクタ使用②バーチカルハロー 作業幅 : 230cm ・ 97〜95PSトラクタ使用③ロータリ 作業幅 : 200cm ・ 耕深 : 15cm ・ 55PSトラクタ使用【表2】作業効率等作業機作業 プラウ(14インチ×2連) プラウ(14インチ×4連) バーチカルハロー ロータリ〔耕起〕 ロータリ〔整地・播種〕 スタブルカルチ 【図1】 プラウ+バーチカルハロー体系における 稔実莢数と子実重の関係160140120●20181002019●80606010080稔実莢数(ロータリ耕体系比%)120成熟期の生育主茎長 【cm】 主茎節数 分枝数 【節/pl】 【本/pl】 87.4 17.3 6.5 88.0 17.4 5.6 作業日 5月15日 作業機 ロータリ 5月15日 5月21日 5月14日 5月17日 5月17日 ロータリバーチカルハローロータリ ロータリトラクタ 作業速度 【km/h】 【PS】 作業幅 【m】 55 0.6 5.3 1.4 2.3 95 95 7.3 3.3 2.0 2.0 1.9 55 55 60 0.9 1.6 5.8 【図2】 整地後の作土層の土壌砕土状況※表層から15cm程度、2017〜2019年平均※スタブルカルチ+ロータリは2019年のみ●2017140160プラウバーチカルハロー茎径 【cm】 全重 【kg/10a】 子実重 【kg/10a】 12.9 934 13.0 796 10080604020429 354 612 535 作業日5月22日 5月23日 5月28日 播種日5月24日5月29日10aあたり推定作業時間 耕起〜播種各作業 52分 17分 21分 83分 47分17分 (+播種時間)64分(ロータリ整地時)ロータリスタブルカルチロータリ収量・構成要素稔実莢数 【個/㎡】 1莢内粒数 百粒重【粒/莢】 【g】1.88 45.31.86 44.3【表3】プラウ+バーチカルハロー体系の生育・収量等(2017〜2019 平均)プラウ+バーチカルハロー体系 (対照)ロータリ耕体系 ●実施場所山形県農業総合研究センター転換畑(山形県山形市)●背景および目的大豆は主要な戦略作物であり、一経営体あたりの作付面積の増加が進んでいる。それに伴う播種作業の遅れが収量の低下の要因となっている。適期内に播種を行うためには、播種前の耕うん・整地作業を効率的に行う必要がある。大豆の作付け規模拡大に対応可能な効率的耕起・整地作業機の体系を検討するとともに、生育への影響について明らかにする。●試験方法耕起作業機にボトムプラウとロータリ、スタブルカルチ(2019のみ)を、整地作業機にバーチカルハローとロータリを用いて試験を行った。供試品種:里のほほえみ播種日:5月下旬播種機:田植機改良播種機(目皿式播種機)播種内容:条間75cm、株間22cm、2粒播き施肥量(基肥):化成肥料(N-P-K=3-3-3g/㎡)培土:3葉期および6葉期※その他の耕種概要は山形県農業総合研究センターの慣行栽培に準ずる●結果および考察①耕うんおよび整地作業機毎の作業性等作業速度はロータリ比、ボトムプラウおよびスタブルカルチが高速で作業可能であった。作業効率では2連プラウ作業(R142相当)は作業幅が狭く、ロータリ耕の2倍以下に留まったが、4連プラウ作業(R144相当)および、スタブルカルチ、バーチカルハローでは、ロータリ耕の効率を大きく上回った。このことから、90馬力クラスの大型トラクタが使用可能な場合、耕起に多連プラウ、整地にバーチカルハローの体系が効率的であった。また、60馬力クラスのトラクタの場合は、耕起にスタブルカルチを用いることで、多連プラウと同程度の効率で作業することが可能であった。②整地後の作土層の土壌砕土状況多連プラウとバーチカルハローでの体系で乾燥した土塊が砕土しきれず残る場合があるが、30mm以下の砕土割合は各作業機において85%以上であり、十分な砕土率が確保された(図2)。③耕起・整地作業の違いによる収量等への影響慣行のロータリ耕体系と比較して、開花期や成熟期における差は見られなかったが、各年共に稔実莢数や百粒重が増加し、平均して約20%収量が向上した(図1)。稔実莢数が増加した要因は、最大繁茂期から成熟期にかけて莢数の減少が少なかったためであり、開花後の乾燥によってプラウ耕区で下位葉の黄化、落葉が見られた年次も同様であったため、土壌水分以上に深耕による根域拡大により登熟が後半まで維持され、減少数が少なかったと推測される。40㎜以上30〜40㎜10〜30㎜10㎜以下9138分130分まとめ大豆大規模栽培で、耕起に多連プラウを使用し、整地にバーチカルハローを用いる体系では作業速度が速く、効率的な耕起・整地作業が可能。稔実莢数や百粒重が増加し、ロータリ耕体系より収量が向上した。また、スタブルカルチでも同程度の効率で作業が可能であった。表層から15cm程度までの作土層では、バーチカルハローで整地した場合でも十分な砕土率が得られた。試験データ(山形県山形市)2017〜2019年大豆大規模栽培における効率的な耕起・整地法 (山形県農業総合研究センター)

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