2025年 総合カタログ スガノ農機 株式会社
67/136

大豆収量(kg/10a)相対収量(%) 864200543210▲●■▲■●■■▲●▲▲▲▲■▲▲▲▲▲▲▲▲●●●●●●●●■■■■▲▲▲▲▲▲▲●●●●●▲■●▲■●■▲▲■■■■■収量 個体数 【kg/10a】 【本/㎡】 前作の水稲栽培方法317 416 402 19.6 23.9 22.2 収穫期のほ場状態【莢/本】 【粒/莢】 【粒/㎡】 450400350300250200150100500代かき移植800700600500400300200100代かき移植141210無代かき乾田直播移植無代かき乾田直播移植【表】粘土質ほ場における大豆収量と収量構成要素 代かき移植 無代かき移植 乾田直播 粘土質ほ場での平均収量土壌の固さ〔高いほど土壌が固い〕全47ほ場における土壌の粘土割合と大豆の相対収量(各年の平均収量を100)の関係120100806032.84036.03036.1土壌の排水性〔高いほど排水性に優れる〕土壌の保水性〔高いほど保水性に優れる〕4050粘土含量(%)無代かき移植代かき移植無代かき乾田直播移植代かき移植無代かき乾田直播移植この差が増収分60●実施場所北海道岩見沢市内の生産者ほ場(3年間で47ほ場)●背景および目的北海道道央地域では、安定的高収益農業の実現のため、乾田直播(乾直)水稲や無代かき移植水稲といった無代かき水稲栽培と大豆等の畑作物を組み合わせた空知型輪作体系が導入されている。3年間の現地実態調査において、代かき移植水稲栽培の後と比較して、代かきを省略した水稲栽培の後では大豆収量が高くなった。本研究では、代かきの省略による土壌物理性の変化が後作大豆の増収に関係するという仮説を立て、土壌調査を実施した。●試験方法期間:2017〜2019年品種:ユキホマレ前作条件:乾直、無代かき移植、代かき移植の水稲栽培●収量結果と、その後の評価方法大豆の3年間の平均収量は、前年の水稲が乾直および無代かき移植の場合、代かき移植の場合と比較して、それぞれ15%および17%増加した。大豆収穫後の各ほ場の土壌について、貫入抵抗、粒径組成、仮比重、三相分布、排水性、保水性の調査を行った。これら土壌物理性の指標について、前作水稲の耕起作付け体系の違いがおよぼす影響および収量との関係を評価した。●評価結果および考察土壌中の粘土含有率が40%以下の13ほ場では、前作水稲の耕起作付け体系によらず大豆収量は同程度であった。粘土含有率が40%以上の34ほ場では、代かき移植水稲後の大豆収量は粘土含有率の増加につれて低下したが、無代かき水稲栽培の後では大豆収量は、代かき移植と比べて27%以上の増収となった。土壌物理性の指標は、保水性、排水性、土壌の固さ、仮比重が無代かきによって改善していた。前作の水稲栽培で代かきを省略すると、仮比重と貫入抵抗が低下する事と土壌の保水性と排水性が増加する事で、後作大豆の収量が安定すると示唆された。莢数 一莢内粒数 総粒数 百粒重【g】34.5 1.46 963 33.3 1.45 1153 36.1 1.42 1114 代かき移植代かき移植無代かき移植乾田直播66まとめ粘土質ほ場では、乾田直播、無代かき移植等の「無代かき水稲栽培」が後作大豆を増収させる。試験データ(北海道岩見沢市)2017〜2019年空知型輪作体系において無代かき水稲栽培の後作で大豆収量が安定する要因(農研機構 北海道農業研究センター)

元のページ  ../index.html#67

このブックを見る