2025年 総合カタログ スガノ農機 株式会社
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8月 上 中 下 6月 上 中 下 5月 上 中 下 ……… 11月 上 中 下⇩省略できる場合あり再生稲細断 10月 上 中 下 9月 上 中 下額縁明渠等の施工⬇排水対策チゼル深耕体系慣行体系砕土⬆バーチカルハロー再生稲細断排水対策…米8642000慣行深耕慣行深耕生育期間中の滞水時間(h)慣行深耕慣行深耕気相率(%)慣行深耕慣行深耕孔■率(%)チゼル深耕体系の収量(チゼル深耕体系の収量(kg/10a)kg/10a)粗耕起スタブルカルチ小麦小麦小麦大豆小麦大豆大豆小麦大豆【図1】2年3作体系下でのチゼル深耕体系と慣行体系   注)深耕:スタブルカルチ、砕土:バーチカルハロー、浅耕:ロータリ、畝立播種:小明渠浅耕播種機 8月 7月 上 中 下 上 中 下⬇ロータリ浅耕畝立播種【図2】生育期間中の作土層以深の土壌物理性(左・中央図)と排水性(右図)〔9圃場の平均値〕   注)土壌物理性:2月(小麦)、8月(大豆)に採取、排水性(地表下15cm滞水時間):12-5月(小麦)、8-11月(大豆)大豆545250484644【図3】小麦、大豆におけるチゼル深耕体系の慣行体系に対する増収効果(3地域)   注)小麦品種:あやひかり、大豆品種:フクユタカ、収量:坪刈収量、□:2017年産、〇:2018年産、△:2019年産900800700600500400300300400500600700800900慣行体系の収量(kg/10a)収穫収穫⬇スタブルカルチ深耕畝立播種畝立播種浅耕⬆ロータリ収穫収穫畝立播種浅耕⬆ロータリ1035030025020015010050作土の表層細かい土塊10cm▶作土の下層粗い土塊未耕部分チゼル深耕体系と慣行体系の降雨後の土壌断面模式図慣行体系降雨時の滞水面が低下しやすい作土の下層孔■率が増加●実施場所三重県内の合計 9 ほ場(3 地域)●背景・ねらい本県では水稲、小麦、大豆の2年3作体系が水田輪作の中心である。県内30ほ場の水田転換畑で行った小麦、大豆の実態調査では、作土層以深(地表下15-20cm)の土壌が緻密化していること、これに伴う作土層(地表下0-15cm)の排水性不良が主要な低収要因であることが明らかとなった。そこで、作土層以深の土壌物理性を改善し、作土層の排水性を良好にする技術体系を組み立てる。●成果の内容・特徴①チゼル深耕体系は、水稲、小麦、大豆の2年3作体系下において、小麦前にはチゼルプラウ(以下、スタブルカルチ)を用いて深耕(耕深:20cm程度)し、縦軸駆動ハロー(以下、バーチカルハロー)により土壌表面を砕土後、小明渠浅耕播種機による畝立播種、大豆前にはロータリにより耕起(耕深:10cm程度)後、同播種機で畝立播種する作業体系である【図1】。●成果の活用面・留意点①スタブルカルチでの深耕以降の作業が円滑に進むように、水稲収穫後、できる注)深耕:チゼル深耕体系、慣行:慣行体系(三重県)チゼル深耕体系20cm▶(22〜37kW)(22〜37kW)額縁明渠等の施工⬆50CM165EEAAGCM165CEAAG35030025020015010050050100150200250300350慣行体系の収量(kg/10a)●3点直装モデル(日農工標準S準拠オートヒッチ対応)Pチゼルスリック/専用ローラー/オートヒッチカプラCM165EEAAG希望小売価格 ¥630,000(税別) ¥693,000(税込)②本体系では小麦・大豆生育期間中における作土層以深の土壌物理性が改善されることで、作土層の滞水時間が減少する【図2】。③本体系下での小麦栽培では、慣行体系(小麦前、大豆前にロータリで耕起し、小明渠浅耕播種機で畝立播種する体系)に比べ、播種時の土壌水分は低下し、砕土率が高まり、苗立ち率、穂数が向上する。大豆では全茎重や稔実莢数が向上する。④本体系は慣行体系と比べ、小麦、大豆とも平均13%増収する。小麦では年次によらず安定した増収効果が得られ、大豆では年次間のばらつきがある【図3】。限り早い時期に額縁明渠の施工等の排水対策を徹底する。②本体系下において大豆作後、代かき移植栽培により水稲を栽培すると次作への土壌物理性、排水性の改善効果は期待できないことから、小麦、大豆の増収のためには、2年3作体系下で小麦前に深耕する必要がある。③作土層以深の土壌が過度に緻密化している等の理由により、一度に耕深20cm程度の深耕が実施できない場合には、作業性を落とすことのない耕深に設定し、2年に1回のスタブルカルチによる耕起時に徐々に耕深を深くする。④本体系下において、大豆後作の水稲を代かき移植栽培する場合、田植え機のタイヤは慣行体系に比べ深く沈み込み、スリップ率はわずかに高まるものの、植付精度は慣行体系と同等である。また、生育期間中の減水深は慣行体系と同等である。⑤本体系を導入した2年3作体系下での土壌化学性の変化は慣行体系と同等である。●3点直装モデル(日農工標準S準拠オートヒッチ対応)専用チゼル/専用ローラー/オートヒッチカプラCM165CEAAG《MSC5FRK》希望小売価格 ¥580,000(税別) ¥638,000(税込)まとめ小麦・大豆播種前のチゼル(スタブルカルチ)深耕は、作土層以深の土壌物理性・作土層の排水性が改善され、慣行体系に比べ、小麦、大豆が平均13%増収する。5本爪《軽量》タイプ標準作業幅:160cm・標準作業深:10〜30cm(キャスタスタンド付属)適応トラクタ質量1600〜2900kg(2000kg以下は条件による)参考馬力:30〜50PS5本爪《軽量》タイプ標準作業幅:160cm・標準作業深:10〜30cm(キャスタスタンド付属)適応トラクタ質量1600〜2900kg(2000kg以下は条件による)参考馬力:30〜50PS試験データ2015〜2019年水田転換畑の小麦、大豆において増収が期待できるチゼル深耕体系(三重県農業研究所 農産研究課)

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