2021年 下期 総合カタログ スガノ農機 株式会社
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れた新穀感謝祭に参列し、思い出深い貴重な経験となりました。いまや農家が高齢化しても機械に頼れば、ある程度農業ができる時代です。GPSなど省力化できる技術を導入して、先進的な農業経営を目指してきました。現在所有しているトラクターは14馬力から77馬力まで13台。いずれも新車で購入し、丁寧にメンテナンスしながら使ってきました。そのうちの2台は2輪駆動で、小回りが利くのでライムソワーとの相性が良く、重宝しています。トラクタのメーカーを絞っているのは部品に共通性があるからです。北海道をはじめ、展示会や産地、農機具店を訪ね、良い機械や道具、部品があれば、点数をまとめて購入しています。毎日作業が終われば、使用時間を記録して燃料タンクを満タンにして保管。エンジンオイルは100時間ごとに交換し、ミッションオイルは添加剤が入っている純正品を使うと決めています。ここまで徹底するとメンテナンス費用はかさむのですが、機械を長く使うための必要な経費ですから惜しみません。常に新しい情報を入手して、まずは自分で試して、良かったものは人にも勧めます。信頼できる仲間が同じように試して勧めてくれた技術や道具は積極的に採用します。勤務していた頃の人脈も生きていますが、土を考える会に入ってからは交流の輪が全国に広がりました。日頃から電話で連絡を取り合い、その人たちに負けないという意識で、営農スタイルを進化させようと努力しています。残念ながら、後継者はいません。3人の子供は「機械ばかり買ってるからお金は残らないね」と笑っています。私が引退したら、農業をすると言い出すかもしれませんけれどね(笑)。まだまだ、あと10年以上は農家をやりたいですね!3ha、3月上旬~5月上旬に出荷する春キャベツを3ha作付けします。ロータリの耕深は12~13㎝程度。台形の畝をビシッと整えようと思えば、プラウで起こすのが一番です。最近増えているスポット的な雨対策にも、プラウをかけたり、サブソイラを早く入れたりすると雨後の乾きやすさが違ってきます。額縁暗渠はまだ定着していませんが、もっと普及してほしいです。露地野菜の場合は、少し傾斜をつけて均平化すると排水が早まるので、レベラーの導入を検討しています。これまでも県内の神社に奉納するお米を作ってきましたが、令和元年の御神田に選ばれたのは嬉しい出来事でした。うるち米のイセヒカリ、もち米のマンゲツモチを作付けした30aのほ場では、5月の御田植祭に始まり、暦に沿って除蝗祈願祭(虫よけの祭)、風鎮祭(風鎮めの祭)、抜穂祭という神事がそれぞれ行なわれました。田植えは幼稚園児を招待して手で植えた後、お祓いを受けた田植機で移植しました。収穫したお米は精米して白米にして、宮崎神宮、鵜戸神宮、江田神社に奉納した後、11月22日の新嘗祭までに県内のすべての神社へ送り届けられました。宮崎県には535の神社があるそうです。伊勢神宮と靖国神社にも奉納したので、伊勢神宮で行なわ令和元年産の御神田【おみた】に選ばれ経験したこと機械のメンテナンス費用は必要経費日々の積み重ねが長持ちさせる秘訣キャベツを植える前に必ずプラウで起こす伊勢神宮での新穀感謝祭にて貴重な二輪駆動トラクタも機動性を活かして現役で活躍奉納するための米を栽培する水田じょこうきがんさいぬいぼさい20

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